昨年夏頃より、いろいろなクルマメーカーで新型車の燃費の記載がWLTCモードという記載方法に変更されています。

WLTCモード

そもそもWLTCモードとは?

そもそもWLTCとはWorld harmonized Light vehicles Test Cycle(世界統一試験サイクル)の略で、世界共通の燃費試験方法の基準のことです。

これまでは国ごとに独自の方法で行っていた燃費測定のための試験を、今後は世界統一の方法で行います。試験内容は、欧州、米国、日本、インド、韓国などでの実走行をベースに策定されました。

実際にどんな表記になるの?

これまでのJC08モードから

WLTCモードだとこのようになります。でも、しばらくの間は、JC08モードとWLTCモードが併記されることになります。

3つの走行モードの燃費と、それを総合した「WLTCモード」の4つの数値が表記されます

WLTCモード:3つの走行モードを平均的な使用時間配分で構成した数値

  1. 市街地モード:信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定
  2. 郊外モード:信号や渋滞等の影響をあまり受けない走行を想定
  3. 高速道路モード:高速道路等での走行を想定

海外のみアウトバーンでの超高速走行を想定した超高速道路モードがあります。日本はアウトバーンがないので除外されています。

JC08モードとWLTCモードの違いは?

JC08モード WLTCモード
試験車両重量
車両重量にドライバー2名分の重量として一律110kg加算
車両重量に100kg(1名乗車+手荷物)+積載可能重量の15%(小型貨物車は28%)加算
空気抵抗/タイヤ転がり抵抗
メーカーで計測したデータ
検査機関で計測したデータ
エンジンの状態
エンジンが暖まっていない状態(エンジン始動直後)が25%、エンジンが暖まった状態での試験が75%
エンジンが暖まっていない状態からの試験が100%
走行モードの特徴
最高速度:81.6km/h
平均車速:24.1km/h
走行時間:1204秒
総走行距離:8.17km
アイドリング時間比率:29.7%
最高速度:97.4km/h
平均車速:36.6km/h
走行時間:1477秒
総走行距離:15.01km
アイドリング時間比率:15.4%

より実際の使用に近い状況での測定方法に変わります。

WLTCモードのメリットは?

WLTCモードにすることでのメリットは

  • より実燃費に近い数値になる
  • 「市街地モード」「高速道路モード」など、そのクルマがどのシーンで燃費が良いかが分かるので、使い方に合わせてクルマを選ぶことができる