開発コンセプト
ニュルブルクリンク24時間レースへのチャレンジをはじめとするスバルのモータースポーツ活動を担当しているSTI。
そのSTIが提供するコンプリートカーは、レースカーの開発を担当するスタッフがレースカーと等しい情熱とノウハウを注いで開発されました。
S208は、前モデルであるS207(2015年発売)から2年間でさらにレベルアップした技術が投入され、圧倒的なパフォーマンスはもちろんのこと、スポーティで爽快な走りと高い質感や上質な乗り心地になっています。
STIが理想とする「運転がうまくなる走り」「誰がどこで乗っても、乗員すべてが”愉しく、気持ちいい”と感じられる走り」が実現した、STIコンプリートカーの最高峰モデルです。
車種展開と価格設定
スチールルーフの標準モデルとドライカーボンルーフの2車種が展開されます。
仕様差 | ボディカラー展開 | 台数 | 価格(消費税抜) | |
---|---|---|---|---|
・スチールルーフ・ドライカーボントランクリップスポイラー ・19インチアルミホイール(シルバー)・ドアミラー(サテンメッキ)・サイドシルモール(金属調) |
・WRブルーパール ・クリスタルホワイトパール |
各カラー50台ずつ | ¥5,800,000 | |
(Carbon Trunk Lip) |
・ドライカーボンルーフ・ドライカーボントランクリップスポイラー ・19インチアルミホイール(ブラック)・ドアミラー(ブラック)・サイドシルモール(ブラック) |
・WRブルーパール ・クリスタルホワイトパール ・クールグレーカーキ |
NBR CHALLENGE合計350台 | ¥6,380,000 |
(Carbon Rear Wing) |
・ドライカーボンルーフ・ドライカーボンリヤスポイラー ・19インチアルミホイール(ブラック)・ドアミラー(ブラック)・サイドシルモール(ブラック) |
・WRブルーパール ・クリスタルホワイトパール ・クールグレーカーキ |
NBR CHALLENGE合計350台 | ¥6,580,000 |
エクステリア
圧倒的なパフォーマンスがシンプルかつ洗練されたテイストで表現され、世界の頂点に挑戦し続けるSTIのスポーツマインドが凝縮されたデザインとなっています。
- メッシュタイプフロントグリル(チェリーレッドストライプ、S208オーナメント付)
- 大型フロントアンダースポイラー(ハイグロスブラック)
- エアアウトレットグリル付リヤバンパー
- S208リヤオーナメント
- バンパーサイドベゼル(スチールメッシュ&クロームメッキ加飾付)
- サテンメッキドアミラー(フットランプ付)
- サイドシルモール(金属調)
- STI製BBS19インチ✕8 1/2J鍛造アルミホイール(シルバー)
サーキットで磨かれた空力性能
空力性能の向上もニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦によって得られたノウハウのひとつです。
S208 NBR CHALLENGE PACKAGEで選択できるドライカーボンリヤスポイラーには新デザインの翼端板形状が採用されています。
空力性能をさらに高めた大型フロントアンダースポイラーとリヤスポイラーが、しなやかに動く足回りを確実に接地させることで高速域でのグリップ性能を向上させています。
もちろん、さりげないデザインのドライカーボントランクリップスポイラー(S208に標準装備)も十分なダウンフォースと空気抵抗低減の効果を発揮します。
・ドライカーボンリヤスポイラー
・ドライカーボントランクリップスポイラー
運動性能向上を追求したドライカーボンルーフ
S208 NBR CHALLENGE PACKAGEには、強度と軽量化を両立したドライカーボンルーフを採用しています。
重心位置から上方に最も距離のあるルーフを軽量化することで低重心化を図り、ロール慣性モーメントの低減効果があります。
連続するコーナー等でもロールや揺れ戻しの少ない俊敏なハンドリングを愉しむことだできます。
インテリア
スポーツカーを操るための理想的な空間を追求したインテリア。
STIコンプリートカーのDNAである優れた機能性が質感高く表現されています。
RECAROシート
S207と同タイプのRECAROシートを装備しています。
重荷を確実に受け止める強度の高い一体成型のシェル構造が採用されています。
上体をしっかりと包み込むバックレストと大腿部をサポートするクッションの形状により、S208の発揮する強力なグリップ性能に対応し、正確な運転操作を可能にしています。
また、シート表皮メイン材に使用されたセミアニリンレザーは、優れた耐久性としっかりとした触感に加え、滑りにくく乗員のホールド性を高める効果もあります。
さらに、シートヒーターやSRSサイドエアバッグも装備し、快適性と安全性を確保しています。
静粛性・快適性の追求
「誰がどこで乗っても、同乗者も含めて、愉しく、気持ちがいい」というSTIコンプリートカーの理想を実現するために、静粛性の向上も注力されています。
しなやかな足回りに加え、フロントガラスに挟み込んだ遮音用中間膜、フロアマットの面積拡大と厚肉化、スペアタイヤパンに配置した制振材により、不快な振動・騒音を低減しています。
さらに特殊吸音スポンジ内蔵のタイヤを採用して静粛性も高めています。
これによってダイナミックな走りだけでなく、ロングクルージングにも対応した室内環境になっています。
パワーユニット
Sシリーズ最強242kW(329PS)の出力とバランスエンジンによる圧倒的な動力性能。
絶対的な加速タイムはもちろん、その質感にもこだわったパワーユニットです。
雑味のない回転フィールドを実現
S208専用EJ20ユニットの最大の特徴は、S207と共通の手法であるピストン、コンロッド、クランクシャフトのバランス取りに加えて、フライホイールとクラッチカバーまでバランス取りを実地したことにあります。
回転マスの大きなパーツのバランスを取ることで、ボクサーエンジン本来のアドバンテージである低振動を極限まで突き詰められています。
雑味を感じることなく、8000rpmのレヴリミットまでストレスなく回りきる心地よさはレーシングユニットにも通じるところがあります。
数値では表せない質感の向上
排気系の性能向上やインタークーラーの冷却効率向上により、S207に対し、+1kW&+1N・mの性能アップを実現。
しかし、S208のパワーユニットが提供するのはスペックだけではありません。
バランス取りに加えて、アクセルのオン・オフ時のトルク変化に起因するショックを低減したECUチューニングや、こもり音を抑えつつエンジンレスポンスの向上に効果を発揮する新設計の低背圧排気系の採用によって、走りの質感と扱いやすさが大幅に向上しています。
さらに走行環境に左右されずハイパフォーマンスを安定して発揮する優れた信頼性も実現しています。
インタークーラーの性能を最大限に引き出すパフォーマンスシュラウド
フロントフード上のダクトから取り入れた空気をインタークーラーのコア面に導くシュラウドの強度も高めています。
高速走行時に大量の空気が流れこんでもシュラウドが変形して空気が漏れだすことを防ぎ、確実にコア面に空気を当てることでインタークーラーの冷却効率を最大限に発揮します。
シビアなコンディションでも性能低下を防ぐインタークーラーウォータースプレイ
気温が高い環境ではインタークーラーの冷却効率が低下するため、エンジン性能も低下してしまいます。
こうした走行条件下でも性能低下を最低限に抑えるために、インタークーラーのコア面に水をスプレイすることで冷却効率を維持。
ワインディングロードなどでハンドルを切っている最中でも操作が可能なパドルスイッチによってスプレイが作動し、一回のスイッチオンで約2秒間噴射されます。
トランクに設置されたウォータータンクの容量は3.7リットルです。
出力性能と心地よいサウンドを両立した新設計の排気系
エキゾーストパイプリヤのパイプ形状をチューニングするとともに、マフラーの内部構造を変更して排気の圧力損失を低減した新設計の低背圧排気系を採用しています。
出力性能を向上させると同時にこもり音を抑え、ハイパフォーマンスを実感できる、質感の高い排気音質を実現しています。
シャシー
レーシングマシンの開発で蓄積されたノウハウを注ぎ込んで強靭なシャシーを開発。
運動性能と快適性を高い次元でバランスさせ、世界トップレベルの走りを実現。
STI独自のシャシーパーツ組み付け手法
STIが目指すシャシー性能は、200km/hオーバーの速度域でも意のままに操ることができる安定性です。
そのためにS208は、ビルシュタインフロントストラットや各種のSTI製フレキシブルパーツ、brembo製ブレーキシステムなどが採用され、強くしなやかなシャシーになりました。
STIコンプリートカーは、クルマ全体として最高のパフォーマンスを発揮するよう、適切な負荷をかけた状態で一台ずつ丁寧にシャシーパーツが組み付けられています。
この手法はレースカーの開発・製作とも共通するもので、STIのモータースポーツ活動からフィードバックされた高度な技術のひとつです。
ハンドル操作とクルマの動きの一体感を追求した応答性
ハンドルを切った瞬間にクルマがドライバーのイメージ通りに向きを変えてくれます。
S208は、ベース車であるWRX SRIで採用された全域を電子制御化したDCCD方式AWDの優れた回頭性を最大限に発揮させるシャシーチューニングや、11:1のギヤレシオを持つクイックステアリングギヤボックスなどの相乗効果によって、高い応答性を実現しています。
特にドライカーボンルーフ仕様は、低重心化とボディ特性に合わせたダンパーチューニングによって、シャープなハンドリングを生み出しています。
フラットライドを追求してハンドリングと乗り心地の理想バランスを実現
速く走るためにはどんな路面状況でも確実にタイヤを接地させなければなりませんが、そのためにはしなやかに動く足回りが必要です。
そしてしなやかな足回りは同時に快適な乗り心地を生み出します。
S208は、通常のバルブの他にコンフォートバルブを備えた可変減衰力式ビルシュタインフロントストラットをはじめとするシャシー系に入念なチューニングを行うことによって、ロールやピッチングを抑えた理想的なフラットライドを実現しています。
DCCDの進化に合わせて電子制御デバイスをリファイン
電子制御化によって回頭性と安定性のレベルをさらに高めたDCCDに合わせて、VDCとアクティブ・トルク・ベクタリングの制御内容をリファインし、コーナリングを積極的にサポートすることでライントレースを高めています。
アクティブ・トルク・ベクタリングはベース車がフロント内輪のみに働くのに対し、リヤ内輪にもブレーキを効かせる前後2輪制御方式を採用しています。
リニアな効き味を提供するブレーキシステム
ベース車同様に強力な制動性能と優れたコントロール性を発揮するbrembo製ブレーキシステムを採用しています。
フロント:ドリルドディスクローター&モノブロック対向6ポッドキャリパーにリヤ:ドリルドディスクローター&モノブロック対向2ポッドキャリパーを組み合わせています
S207から2年間の進化を凝縮した究極のロードゴーイングスポーツカーです。