『全部再資源化』を知っていますか?なんだか耳慣れない言葉ですが、廃車処理には、もうひとつ別のルートがあり、それが『全部再資源化』と呼ばれる廃車処理の方法です。
これは、解体工程においてモーターやハーネスを徹底的に除去した廃車ガラをサイコロ状にプレスし、まるごと電炉に投入するリサイクル方法です。シュレッダーダストを発生させないため非常にリサイクル率の高い処理方法となります。
モーターやハーネスを取り除く必要性
- 全部再資源化では、どうしてモーターやハーネスを取り除くの?
- 電炉メーカーでは、銅の混入率を大変厳しく制限しています。モーターやハーネスには多くの銅を含んでいる為、これを除去する必要があります。
全部再資源化のプレスは電炉に投入され、おもに建築用鋼材に再生されます。建築用鋼材に銅分が混入すると強度が低下する為、全部再資源化の廃車プレスに対しては重量比で0.3%以下を保証することが求められています。
全部再資源化のメリット
- 全部再資源化には、何かメリットがあるの?
- ASRのリサイクル率を押し上げる効果があります。
全部再資源化では、ASRになるべき樹脂分は電炉内の熱で分解され、炉の熱源として消費されます。ガラスはスラグとして取り出されて路盤材等として活用されています。これによりASRのリサイクル率でほぼ100%という非常に高いリサイクル率での廃車処理となります。
木本壱成
自動車リサイクル法で規定されているリサイクル率を安定的に達成維持する為にも全部再資源化の推進はとても重要です。