これまで数回にわたって廃車処理の流れを紹介してきました。今回は「自動車リサイクルのフロン類処理について」書いていきたいと思います。
フロン類処理について
- 使用済自動車のフロン類は、どのように処理されているの?
- フロン類は、フロン類回収業者によって廃車から回収された後、フロン類破壊施設で破壊処理されています。
快適ドライブの必需品であるカーエアコンになくてはならないものが「冷媒」であるフロンガスです。「フロン」は人工的に合成した物質で、分子構造の違いによっていろいろな種類があります。その中で、自動車用としては、かつてはR12、現在は134aが使用されています。
廃車に搭載されているカーエアコンのフロン類は、フロン類回収業者で引き抜かれて専用ボンベに充填され専用ケースに入れられて処理施設まで運搬されます。
処理施設では、熱分解によってフロン類を処理しています。フロン類が熱分解された際に生成する物質は消石灰によって中和処理されて、無害化されます。
エアコンの冷媒が回収・破壊される理由
- エアコンの冷媒は、オゾン層を破壊しないものに代替されたはずなのに、どうして回収・破壊しなければいけないの?
- 特定フロンといわれたR12(CFC)はオゾン層破壊ガスとして、代替フロンの134a(HFC)は温室効果ガスとして大気への放出が法律で禁止されています。
オゾン層を破壊しないエアコン用冷媒としてR12に代わって使用されているR134aですが、現在は温室効果ガスとして、やはり大気への放出が法律で禁止されています。
木本壱成
フロン類は破壊処理される為に、自動車リサイクル法でもリサイクル率を規定していません。