渋滞のメカニズムを知る
年末・年始といえば、毎年おなじみの風景となった里帰りの道路渋滞。
「故郷の懐かしい顔に会えるのは楽しみだけど、道中に発生する渋滞は疲れるなぁ」師走に入って、そんなふうに思っている方も多いと思います。
そこで今回は、渋滞を減らし、その疲れを軽くする方法を紹介したいと思います。
- 渋滞はなぜ発生する?
- 渋滞の原因で一番多いのは自然渋滞です。
渋滞原因といえば事故や工事などの事象を思い浮かべますが、実は交通集中による自然渋滞が全体の75%を占めています。そのうち約6割と最も多い原因が”サグ”と呼ばれる地点で発生しています。
サグとはたわみ、たるみを意味する英語で、下り坂から上り坂に代わる凹部を指しています。中でも斜度1%程度のわずかな上りはドライバーからは平坦に見えるため、無意識のうちに速度が落ちてしまいます。交通量が多いとわずかな速度低下でも後続車がブレーキを踏むことになり、さらに後続車がブレーキを踏むという状況が続いて渋滞となります。
- サグで発生する渋滞を減らすには?
- 意識して速度をキープしましょう。
一人でも多くのドライバーがサグでの速度低下に注意した運転を心がければ渋滞を減らす可能性が高まります。最近はそのメカニズムを知っている人も増えてきたため、高速道路でもサグのポイントに速度回復表示板や速度低下抑制標識を設置して渋滞を予防する運転を呼びかけています。
速度に応じて適切な車間距離をとるのは安全にも役立ちますが、車間距離にゆとりがあれば、前走車の速度がわずかに落ちてきたときもアクセルワークだけでついていくことができるため、不要なブレーキを踏まずに済みます。これがブレーキの連鎖を防ぐクッションのような役割を果たすのです。
- 渋滞の中で速いレーンはどこ?
- どちらのレーンも大きな差はありません。
渋滞というのはアコーディオンの蛇腹のような動き方をします。動いたり止まったりという波があり、その周期が車線毎に違うので、どちらかが先に進むように見えるかもしれませんが、しばらくするともう一方が動きだし、レーン規制のない自然渋滞の場合は実際に差はほとんどありません。また、渋滞の中でのレーンチェンジは後続車にブレーキを踏ませてさらに渋滞を悪化させたり、事故の原因にもなるため、同じレーンをキープすることを推奨しています。
交通集中による渋滞は追越車線から始まります。道路が混雑してくると、少しでも早く行きたいというドライバーが右側車線に集中するためです。道路が持っている本来のパフォーマンスを発揮するためには、キープレフトを徹底して走行車線も上手に使うことが大切です。混雑している時こそ、はやる気持ちを抑えて走行車線を走りましょう。
- 渋滞から抜け出したら?
- 速度を回復してください。
渋滞か解消してもなかなか速度を回復しないドライバーがいます。渋滞が発生している時間を減らすためには、このような時にできるだけ早く速度を回復するのが大切です。
NEXCO東日本では、高速道路の場合、40km/h以下の低速状態が1キロ以上、15分以上続いたときのことを”渋滞”と定義しています。