1989年、スバルは世界に先駆けて先進運転支援技術の開発に着手しました。

現在、自動ブレーキは当たり前の存在になりましたが、スバルはステレオカメラを用いた運転支援システムの開発を四半世紀も前にスタートし、試行錯誤を繰り返しながらその技術に磨きをかけてきました。

アイサイト歴史

ステレオカメラの歴史

  1. 1989年、ステレオカメラによる運転支援装置の研究スタート

    スバルは先行技術開発を主業務とする株式会社スバル研究所を設立しました。ここは自動車部門だけでなく、航空部門や当時スバルが手掛けていた各部門からエンジニアが集められ、外部からも研究者が招かれました。後にアイサイトとしてスバル車に搭載されることになるステレオカメラによる画像認識制御の研究はこのときスタートしました。

  2. 1990年、ステレオカメラの優れた性能を磨き上げる

    スバルが開発したアイサイトの特徴は、高い認識能力を持った「ステレオカメラ」にあります。検知ユニットとしてはレーザーレーダーやミリ波レーダーもありましたが、それらと比較するとステレオカメラは全ての物体を同時に3次元で画像認識できるため、圧倒的に優れた性能を持っていると考えられていました。しかし、開発を始めた1990年代は高い精度のステレオカメラを、量産車に装備するのはハードルが高く、主流はレーダーに変わってゆきました。スバルでは、無人ヘリコプターの姿勢を制御するシステムなどあらゆる用途に向けた研究開発を進める中で自動車での技術的なポテンシャルを確信し、粛々と開発を続けていたのです。

  3. 1991年、国主導の「ASV構想第一期推進計画」発表

    運輸省(当時)の先進安全自動車推進検討会が21世紀初頭の実現化を目指し、ASV(アドバンスド・セイフティ・ビーグル)構想を立ち上げ、エレクトロニクス技術の応用によりクルマを高知能化し、事故予防、被害軽減に役立させようという取り組みがスタートしました。

  4. 1999年、ステレオカメラを使った運転支援システムを世界で初めて市販車に搭載

    ステレオカメラとは別に制御用のコンピューターユニットのケースがあり、フロントシートの下に格納されていました。

  5. 2008年、レガシィシリーズにアイサイトを搭載

    アイサイトは制御ユニットがコンパクトになり、ステレオカメラと一体型になりました。

  6. 2014年、アイサイト5つの技術

    ぶつからない技術、ついていく技術、はみ出さない技術、飛び出さない技術、注意してくれる技術が進化。

  7. 2017年、アイサイト・ツーリングアシストを搭載

    レヴォーグとS4の改良モデルに、全車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作をサポートする「アイサイト・ツーリングアシスト」を標準装備。さらに後退時自動ブレーキシステム、フロントビューモニター、スマートリヤビューミラー、ステアリング連動ヘッドランプ等の安全機能を装備し、全方位にわたってドライバーの安全運転を支援する仕様となりました。

ステレオカメラとレーダーの認識イメージの違い

ステレオカメラの場合はカメラがとらえた画像を元に、立体的に物体を認識します。そのサイズや輪郭の特徴から、クルマはもちろん歩行者、自転車やバイクなども識別します。

またステレオカメラは、路面の白線も認識でき、カーブなどの道路形状や、自分の車線ととなりの車線にいるクルマも区別が可能です。

レーダーの場合は、電波や赤外線を照射して、その反射から物体の有無や距離を測ります。そのため電波や赤外線が反射しやすい物体との距離の測定は得意ですが、ステレオカメラのように物体の形状を認識し、それが何なのかを特定するのが困難です。

危険を予測して安全運転を支援するアイサイト

ドライバーの目となるステレオカメラは、前方のクルマだけでなく、自転車、歩行者なども認識し、危険な状況をドライバーに知らせ、交通事故が起きそうになると、自動ブレーキをかけて衝突の被害を減らします。

また、高速道路などを走行中にドライバーの負担を軽減する「全車速追従機能付クルーズコントロール」や、ステアリング操作をアシストして安全運転を支援する「アクティブレーンキープ」など、ステレオカメラを応用した技術も開発しています。

スバルは「走る、曲がる、止まる」の全ての領域で、安全な運転支援を実現しています。